「バーンアウト」シリーズのクライテリオンゲームズ製作のFPS。まずは一般名詞的なこのタイトルで商標登録が通ったことに驚かされる。お店で「PS2のBLACKください」というと”うすちーさい”PS本体がでてきそうだ。
そんな大胆なタイトルの付け方とは裏腹に、FPSとしては「ものすごく普通」という感想がプレイして弾き出された。
本作の一番のウリはマップ上のオブジェクトの多くが破壊できること。FPSのお約束のドラム缶や車以外にも、コンクリの柱を打てば命中箇所が欠けたり、カベを撃ち壊してそこに隠れている敵を倒すといったことができる。飛び散った破片は物理計算を使ってリアルに飛び散ったりもする。しかしながら、これらは単に壊せるものの種類を増やして丁寧に作りこんでいっただけという印象が強く、これまでのFPSのゲーム性と一線を画すほどのものではない。
さらに言うと、武器や敵の種類も昨今のFPSタイトルと比べて多いというわけでもなく、ジャンプ機能もないのでプレイヤーはわずかな段差を越えることもできないし、マップに置かれている乗り物に乗り込むといったこともできない。つまるところ、決して派手なゲームとはいえないというのが事実だ。
しかし、それでも本作は面白い。照準の操作性が良く、スナイパーライフル以外の武器で遠距離から攻撃しても結構命中してくれるし、一般的なFPSでは操作が
面倒な割りにいまひとつ使えない手榴弾が、本作では有効範囲を広めに、そしてダメージを大きめにとることでかなり有効に使えるようになっている。プレイヤーのHPも死亡寸前になった時に連続でダメージを受けなければ、1ダメージ分ぐらいのHPが回復するようになっており、逆転クリアのチャンスも十分にある(実際、それで何度も助けられた)。
思うに、本作は派手にマップを壊すことを楽しんで欲しいというコンセプトにおいて、ユーザーがとりつくハードルを下げたのではないか?あくまで私見に過ぎないが本作は「いままでのFPSでは物足りなかったプレイヤー」よりも「FPSに興味はあるが触ったことがない初心者」に顔を向けている気がする。あえてイベントムービーに無駄なコストをかけず(ムービーの内容がつまらないということではない)その分販売価格を下げたとさえ想像できるのだ。
本作はFPSとしては「普通」だが、「FPSを楽しむ」というコンセプトについては決して妥協してはいない、愛すべきゲームだと思う。
posted by keeman at 15:31|
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